絶対音感とは、ある音の高さを “他の音と比較することなく” 把握し、特定できる能力のことです。
逆に “他の音と比較して” その音を特定するものは相対音感と呼ばれます。
絶対音感にも精度の差異があって、楽音(ドレミ)だけが把握できる人から、衝撃音や風の音など日常のあらゆる物音の音の高さを把握できる人までいます。
絶対音感を持っていると初めて聴いた曲をそのまま演奏できるなど、音楽活動を行っていく上で非常に有用な能力の一つとされています。
さて、この絶対音感とはどのような人間が持っているのでしょうか?
いわゆる生まれ持った才能というものでしょうか?
答えは No です。
音楽的訓練によって誰でも身につけられるものなのです。
しかし、その習得にはリミットがあり、おおよそ小学校入学ごろと言われています。
(相対音感は大人になっても鍛えることが可能です)
聴覚の発達が顕著になるのは言語を話し始める2歳ごろから。そして4~5歳でピークを迎え、その後わずか数年で完成します。
この時期を逃してしまうと習得は極めて難しくなりますので、もし我が子に絶対音感を持っていてほしいと思うのなら早めに取り組まれた方が良いでしょう。
絶対音感を持つことによるメリットについては以下の通りです。
IQ が高いという統計的なデータがあるそうです
MRIによる脳の測定でも顕著な差異があるとのこと。
東大生の二人に一人がピアノを習っていたという話もありますし、なんとなく納得できませんか?
楽器の習得に役立ちます
絶対音感とは聴覚上の能力ですが、視覚とも結びついています。
つまり、楽譜を見るだけで正確な音程で音楽が思い浮かべられるのです。
将来の可能性について
子どもが音楽を専門的に学びたい、その道に進みたいと言い出したら?
あるいは親がその道を歩んでほしいと願っているのなら?
早期の訓練で誰しもが身につけられるものであるなら、やはりトライさせてあげたいと思いますよね。
とは言え、あまり身構えず、ピアノを学ばせるだけで十分ではないかと思っています。
ピアノは絶対音に触れられる楽器なので(奏者によってピッチが変わることはない)、自然と身につけられる可能性が高まります。
ただし、調律は定期的に・・!
個人的には語学と同じかなと思います。
幼少期に耳にしていた言語であれば、国籍や人種を問わず、どんな言語でも聞き取れるようになります。
大人になってからの英語習得の難しさは多くの方が身をもって知っているのではないでしょうか?
ただし、絶対音感とはあくまでも “あると便利” なものの一つに過ぎません。
絶対音感を持たない音楽家、作曲家はたくさんおられます。
その習得のみを目的とせず、音楽や楽器に日々触れることによって身につけさせてあげたいですね。
別に将来、絶対にその道に進まなくたって良いのです。
いつどこで役に立つか分からないし、人生の裾野は確実に広がりますから。
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