あたまのかたち外来 回想記01

あたまのかたち

「二人とも同じ方向見てて可愛い!」

新生児期、我が家の双子を見た方の多くがそう言ってくれました。

えぇえぇ、本当に可愛かったです(もちろん今も可愛いです、増すばかりです)。

本当にずっと同じ方向見てました。

具体的には二人とも、ずっとずっと右ばかり向いていました。

無理やり左向けたところで、ぷいっ!と瞬殺。

この強烈な向き癖に対する不安は日に日に大きくなり、小児科の先生や助産師さん、保健師さんなどとお話しする機会があるたびに相談し始めました。

相当数の方に相談したはずですが、、、

「大丈夫ですよ」

「そのうち丸くなりますよ」

大体がそんな感じで、時には体位変換(背中にタオルなどを挟んで向きを変える)の指導などもいただきましたが、一瞬でも目を離せばもう右向いてます。

段々と頭の形がややいびつになってきたなとは思っていたのですが、とは言え、あれだけ専門家に相談しているのだからそんなものかもしれないし・・。

一卵性双生児特有の何かかもしれないし・・。

(実際、同じフォームや動きをしていることは多かったです)

加えて、日々の双子のお世話に意識が飛ぶような毎日であったこともあって、新生児期は終わりにさしかかっておりました。

我が子たちは未熟児ではありませんでしたが、ぎりぎり早産期にこの世に誕生したため、フォローアップの対象です。

主に発達面のフォローということなのですが、生後4ヶ月のフォローアップ外来で「今はそんなことより頭の形・・」と指摘され(この先生には心から感謝しています)、専門の病院を紹介されることとなりました。

「やっとちゃんと言ってくれる人がいた」と、安堵のようなものすら感じた気がします。

そんなこんなで頭の形外来の門戸を叩くこととなりました。

女の子だし、将来どのようなストレスを引き起こすか分からないですから、要治療と言われたら「どうぞよろしくお願いします」と即答しようと妻と決めていました。

でも、でも、心のどこかで、ドクタに「治療するほどのものじゃない」と言われることを期待していたなぁと、当時を振り返って思います。

しかし残念ながら重度の変形で、すぐに治療を開始しましょうということでした。

斜頭最重症、短頭もあり。みたいな感じだったと思います。

斜頭や短頭という言葉は馴染みがありませんでしたが、素人目にどう見てもひし形みたいな形でしたからね。

ここへ来て「大丈夫!」なわけがないです。

治療によって赤ちゃんにかけてしまう負担、私たち夫婦が感じるであろう世間からの目、そしてお金のこと。

病院に向かう途中、色々考えていましたが、だからと言って返事をためらうことはありませんでした。

長きに渡る不妊治療が私たち夫婦にもたらしたものは、良くも悪くも鈍感になることであったと思います。

なるようになる、なるようにしかならない。

祈るように生きていても時にすさまじく残酷で、だから手にすることができたものはどこまでも心を込めて慈しみたいのです。

頭部のCTを取ってもらい、発達のチェックもしてもらいました。

その際に教わった、赤ちゃんの体感を整えるマッサージを毎日行いながら、治療開始を待つことになります。

我が子たちが受けた治療は、米国製のミシガン式頭蓋形状矯正ヘルメットによるものです。

医療機器として登録されたのは2018年とのことですので、歴史はとても浅いですね。

希望者、治療者は年々増えていっているそうです。

今後、同じような治療をすることになる赤ちゃん、そのご両親の参考になればと思い、思い出せる範囲で記していこうと思います。

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